microSD™カードUSBメモリーシリアルアクセスボード(MSUH-3F)は、米GHI Electronics社製のALFAT SoCを搭載した市販のmicroSD™カード及びUSBメモリー(※1)両方に対応し、FAT32に対応したファイル操作ができるボードです。製品は米GHI Electronics社の製品をベースにしています。
microSD™カードやUSBメモリーのコントロール、FAT32ファイルシステムの煩雑な処理を本機のコントローラALFAT SoCが行うためユーザーは簡単なシリアル通信だけでファイルの各種操作ができます。
ファイルの種類は問いませんので、テキストデータからバイナリデータまで様々なデータ形式に対応します。

シリアル通信のインターフェイスは、非同期式シリアル通信(UART)と、同期式シリアル通信(I2C)のどちらかをモードピンの設定によって選択することができます。
UART通信の場合、デフォルト通信速度は115.2kbpsで最高921.6kbpsまで対応します。
同期式シリアルI2Cで通信を行う場合、本機はスレーブデバイスとして動作します。スピードモードは400KHzの高速モードに対応しています。(スレーブアドレスは固定されています。)
本体の電源電圧は+5Vです。電源はUSBメモリーへの給電にも使われ、本体の駆動にはボード内で3.3Vを作り各デバイスに給電しています。ロジックピンの電圧レベルは3.3Vですが、5Vにも対応しています(5Vトレラント)。(但しリセットピンは3.3Vmax。)
MSUH-3Fはロングファイルネームに対応しています。複雑なディレクトリ構造にも対応。新しいフォルダを作成してそこに新規ファイルを作成したり、ルートから深い階層にあるファイルへもアクセスできます。

本体にバッテリーバックアップ対応のリアルタイムクロック(RTC)を内蔵していますので、ファイル作成時のタイムスタンプを付けることができます。(※3)
パソコンとUSB-UART変換ICなどを介して本機とUART通信し、本機の機能を一通り使える便利なユーティリティソフトをご用意しました。当方のダウンロードサイトからダウンロードしてご使用頂けます。

■ 操作できる機能一覧
ファイルを開く |
最大16個のファイルを同時に開くことが可能
microSD™カードとUSBメモリーの混在も可 |
ファイル内のデータを読む |
ファイル内のデータについて、任意の位置から任意のサイズでデータを読み込み可能。 |
既存のファイルにデータを書く |
メモリーメディア内にある既存ファイルに対してデータを追記。 |
新しいファイルを作る |
新しいファイルを新規に作成。任意のディレクトリにファイルを作成。 |
ファイル、フォルダを削除する |
ファイルやフォルダを削除。 |
クイックフォーマット |
メモリーメディアをクイックフォーマット。 |
ファイルの属性やサイズ、ファイルスタンプを取得 |
指定したファイルの属性やファイルサイズ、ファイルのタイムスタンプを取得可能。 |
ディレクトリ内のリスト取得 |
指定したディレクトリ内にあるすべてのフォルダ、ファイルのリストを取得。 |
空き容量の取得 |
メモリーメディアの空き容量を取得。 |
ファイルやフォルダーのリネーム |
ファイル又はフォルダの名前を任意の文字列にリネーム。 |
ファイルのコピー |
指定したコピー元ファイルを、指定したサイズコピー。 |
メモリーデバイスの転送速度を計測 |
メモリーデバイスに指定したサイズのデータを書き込み、時間を計測し転送速度を実測。 |
※2:通信速度は本機には記憶できずリセット後や電源再起動後は常に115.2kbps又は9.6kbpsとなります。

●FA32のファイルシステムに対応 |
●ロングファイルネームに正式対応 |
●非同期式シリアル(UART)及び同期式シリアルI2C通信に対応 |
●市販のmicroSD™カードに対応 |
●市販のUSB1.1/2.0/3.0規格のUSBメモリーに対応 |
●USBメモリーとmicroSD™カードを同時使用可能。混在してファイルを展開可能 |
●同時に16個のファイルを内蔵バッファに開くことが可能 |
●装着したメモリーデバイスの転送速度を計測する簡易メディアテスト機能 |
●2つの省電力モードを搭載、作業状態を保持したまま低消費電力モードに移行することも可能(アイドル時に0.13mA〜1.5mA程度まで消費電力を低下可能) |
●クイックフォーマット機能搭載 |
●RTC機能搭載で、ファイル作成時のタイムスタンプをファイルに記録 |
●本体に時計バックアップ時に動作する32.768kHzのRTC用水晶発振子を搭載 |
●本体電源電圧5.0V (内部で3.3V生成) |
●日本語マニュアル付属だから分かりやすい |
●機能をパソコンから簡単に評価できる使いやすいユーティリティソフトをご用意 |
■ コマンド操作の一例

■ 主な仕様
電源電圧 |
+5.0V (本体電源とUSBメモリー用電源)
RTCの時計バックアップ使用時には別途1.65V〜3.3Vのバックアップ電源が必要(CR2032を推奨) |
消費電流 |
動作時平均:約60mA程度
スタンバイモード時:0.13mA程度
ストップモード時:1.45mA程度
※いずれもメモリーメディア装着状態 |
対応メモリーメディア |
microSDカード:最大128GB、Class4〜10
USBメモリー:USB1.1以上、最大128GB |
対応ファイルシステム |
FAT16、FAT32
※exFAT及びNTFSには対応していません。64GB以上のデバイスのフォーマット方法についてはこちら。 |
インターフェース |
非同期式シリアル(UART): デフォルト通信速度115.2kbps
同期式シリアル(I2C): 100k〜400kHz対応
※UARTデフォルト通信速度は9.6kbpsに固定も可 |
ボード寸法 |
縦40.6×横42.5mm
※メモリーメディアを含まず |
※市販されているすべてのUSBメモリー、SDカードが使えることを保証するものではありません。相性問題によりお使い頂けない機種がある可能性もあります。また当方では相性保証は致しておりません。
■ 本体外形図

■ セット内容
●MSUH-3F本体
●日本語マニュアル(ダウンロード)
※RTC用の32.768kHz発振子は実装済みです。
※マニュアルはPDF配布となり紙媒体でのご提供はありません。
※マニュアルはこちらからご覧頂けます。
■参考資料
■本製品のサポートについて(必ずお読みください!)
MSC-MOD20技術的なサポートは全て本製品の主要機能を提供しているALFAT SoCのメーカー、米GHI Electronics社のフォーラムをご利用頂く必要があります。当方マイクロテクニカでは技術的なサポートを提供しておりません。サポートを受ける方法については日本語補足マニュアルに記載されておりますのでそちらをご参照ください。
本製品はお客様ご自身で当方からご提供している日本語マニュアルやICメーカーである米GHI Electronics社から公開されている英語版のデータシートや技術資料、その他フォーラムで公開されている記事、インターネットからの情報、必要に応じてChatGPTなどの生成AIの力を借りるなどしてその内容を理解して回路設計ができる技術者向け製品です。
本製品を操作するためにはシリアル通信や電子回路の知識、プログラミングの知識、英語の資料を読める知識が必要となり、この製品はそういった知識をお持ちの方を対象とした製品です。こういった知識をお持ちでない方は本製品をお使いになりません。
使用方法や製品の技術的なご質問等のサポートは日本語では行っておりませんのでご購入に際しましてはあらかじめこの点をご理解ご了承の上ご検討をお願い致します。

本文書に掲載されている商品またはサービスなどの名称は、各社の商標または登録商標です。なお、文中および図表中おいて、見やすさ向上のために「™」、「®」を省略表記する場合があります。
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